第23回 岡大サイエンスカフェ開催報告
| 開催日時 | 平成23年4月19日(火) |
| 開催場所 | 岡山大学五十周年記念館 2階 |
| テーマ | 人と環境にやさしい都市づくりを考える |
| 講 師 | 岡山大学教授 阿部宏史 (理事・副学長) |
| 司会進行 |
研究推進産学官連携機構 社会連携本部長 青山 勳 |

アンケート結果
開催概要
| 平成23年4月から大学の執行部が替わり、前環境学研究科長の阿部宏史教授が研究推進産学官連携機構長(理事(教育・研究担当)・副学長)に就任し、恒例により開会後の冒頭挨拶を述べた。「このサイエンスカフェの趣旨は一般市民を対象に、岡大の先生方が専門の、最先端の研究をわかり易くお話しし、科学について関心を持ち、また理解してもらう事です。」開会の挨拶に続いて、講演に入りました。 |
講演要旨
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私は、大学院は環境学研究科、学部は環境理工学部・環境デザイン工学科に属しています。環境政策、都市づくりの教育・研究に従事しており、理系と文系の境界領域、社会科学に近い領域であるため、話の内容は一般的にわかり易いだろうと思う。今日の話題は(1)日本と世界の都市計画の流れについて紹介し、(2)日本の街づくりは何故うまくいかないか、そして(3)都市づくりと環境問題についてお話しする。 |
戦後の歴史を見ると、高度経済成長、石油危機、安定成長期と推移してきた。この間産業構造の変化、バブルの崩壊が起こった。水島に代表される重化学工業の発展の一方では産業公害が発生し、ごみ問題、交通公害などの生活型公害が拡大して、地球環境問題へと進んできた。こういう中で都市をどのようにつくってゆくか。大都市には資本が集中し、地方では地域経済の衰退が進んだ。 |
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| 最近少子・高齢化が進み、労働人口の確保が問題になってきた。人は地方都市から大都市へと流れ、東京の一極集中が起こり、農業人口の減少、製造業、サービス業の増加へと移ってきた。ここに2つの大きな問題がある。(1)たとえば中国地域は医療・福祉(個人サービス業)が伸びているのに対して、東京では成長力のある学術研究・知識集約型産業が伸びており、地域と大都市との間で一層の産業構造格差が広がっている。(2)日本の財政問題は今や国民1人あたり500万円の借金を抱えるに至った。 | ![]() |
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車社会の問題は、都市が拡大し、郊外での開発が進み、居住者も買い物客も郊外へ出ていくことである。その反面で、都市中心部の人口減少や機能流出が起こり、さびれてくる。このような状況下での街づくりの手法は、(1)都市中心部の活性化、(2)大型店の立地規制、(3)土地利用の適切な誘導・規制を図ることである。一方、災害に強い都市の建設にあたっては、(1)燃えにくい街、(2)震災に強い街、(3)ライフラインの強化、(4)密集市街地の再整備が要求される。そして都市づくりの流れは(1)環境との共生、(2)地方と大都市との併存、(3)都市計画、(4)安全・安心の街、(5)コンパクトな街、(6)協働の街づくりに要約できる。 |
| 岡山市と大都市の交通面での大きな違いは、人の輸送距離と輸送人口の違いである。岡山市は市街地が狭く、地下鉄等の高速・大量輸送機関による輸送は需要が小さいため、なじまない。むしろ自転車やバスに加えて、路面電車、バスなどの都市の大きさにあった交通機関が必要である。現在では、公共交通機関として次世代型路面電車と呼ばれるLRTが注目されている。 | |
一例として、ストラスブールのユーロトラムがあり、低床式で、窓が大きい電車である。岡山でも、MOMOと呼ばれる新型路面電車が導入されている。LRTの欠点は路面上を走るため、自動車交通に迷惑をかけることである。ヨーロッパでは車を都心部から閉め出すために、電車が車に迷惑をかけることを良しとしている。この点は日本と発想がまったく異なる。 |
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ここでヨーロッパにおける街の紹介があった。その特徴は、(1)パークアンドドライブで街の中には車を入れない、(2)建物の高さやデザインを統一した景観形成、(3)街の歴史を生かすなどである。 日本の公共交通は、今でも営利事業と考えられる傾向が強いが、欧米では公共のための交通と考え、住民の移動の権利を保証するという考え方が支配的である。日本でも、名前通りに公共の財政支援の下で、建設・運営されることが望ましい。 |
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岡山市は、都市ビジョンの中で公共交通重視を施策の柱とし、1990年から交通基本計画を策定しているが、現在に至るも十分な公共交通整備が進んでいない。日本の都市に共通の問題であるが、資金がなく、法制度整備も不十分であることに起因している。市内には6社のバス会社があるが、規制緩和で、利益の上がるところは過当競争になり、中間山地などでは路線が廃止され、自治体が肩代わりして生活バスを運航している。交通政策では、外国では常識なことが日本では非常識になっている。 |
10分間の休みのあと、日本の環境問題が産業公害から生活郊外、地球環境問題へと移り、時間的、空間的広がりを見せていること、循環社会の構築の構築など環境問題解決のあり方、さらに岡山におけるESD(持続可能は発展のための教育)活動について話されたあと、質疑応答に入った。 |
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質問1:公共交通機関について、住民の意見が反映されていないが、どうすべきか?
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