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サイエンスカフェ

第13回 岡大サイエンスカフェ開催報告

開催日時 平成21年8月25日(火) 18:00~19:30
開催場所 岡山大学創立五十周年記念館 2階
テーマ 筋力の科学 ─若さと健康をめざして─
講 師 岡山大学大学院教育学研究科 
三浦 孝仁 教授

 

開催概要

  最初に、曽良副学長から「サイエンスカフェは大学等の研究成果をお知らせする機会として全国各地で行われ、本日も岡大の他に函館でも行われています。日本での科学への関心の程度は、一般的な科学雑誌の発行部数をみると米国の5%程度ですが、ジャンルを決めた特集に対してはその10倍にも伸びる傾向にあります。これまで本カフェにて取り上げたテーマは非常に幅広く、本学が総合大学であることを再認識していただけます。本日は、個人的にはゴルフの飛距離アップにつながる事を期待していますし、先生からは判りやすく説明いただけますので多いに楽しんで下さい。」と挨拶がありました。

以下は三浦先生のお話です。


  最初に、本日は研究成果の一端として、先生が指導をしている岡大ウエイトトレーニング部の紹介することと、本来30時間程度の講義を集約し、すぐ役立つことを判りやすく、との前置きがありました。併せて速報として、つい先日インドでのアジア選手権で岡大から4名が参加し優勝したこと、また9月にブラジルにて開催予定の世界大会に3名の岡大女子学生が参加予定であることが紹介されました。
人間の骨格数約200に対応して骨格筋は400程度あり、それぞれの筋は力学的エネルギーに変えるエンジンの役目を果たす。筋力の定義としては筋肉の収縮に伴う張力の総和であり、収縮には動的なものと静的なものがある。
筋肉を構成する筋繊維には赤いものと白いものがあり、赤は持続力、白は瞬発力に対応し、例としてマグロなどの外洋魚と鯛などの近海魚に顕著に見られる。人間でも長距離走者と短距離走者、地域差による赤と白の筋繊維の分布の幅は広く、遺伝的なものも指摘されている。また、この度世界新をだしたボルト選手等の中南米の選手はアキレス腱が長いとの特長も遺伝的である。
筋肉トレーニング(筋トレ)はウエイトトレーニングと同義で、バーベルやダンベル等のフリーウエイトを用いる方法とトレーニングマシーンを用いる方法があるが、いずれも正しいフォームと、どの部分を対象にするかが重要である。
筋トレを基にした競技で代表的なものとして次の3つがある

ウエイトリフティング:
最大筋パワーを競い、オリンピックの重量挙げ ジャーク、スナッチの種目がある
パワーリフティング:
最大筋力を競い、学生のスポーツとして取り入れているスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの種目がある

ボディビルディング:
筋肥大度合い(筋肉量)を競う


大学の4年間という短期間で、しかもコツコツとまじめに計画的に取り組む練習によりスキルアップできることからパワーリフティングに岡大でも取り組み、現在5年連続日本一の実績を残している。このうちベンチプレスについては、岡大生が世界新を出しており、またパラリンピックの正式種目にもなっている。
ボディビルディングやアームレスリングのように筋肉をつける競技で、米国の一部ではステロイド剤等のドーピングが認められており、それが昂じて筋肉の増強に骨が追いつかず骨折の事故も起きている。また米国の特長として、筋トレに関する本がベストセラーになるくらい、一人コツコツでなく人から認められたい国民性が顕著である。
筋力は筋肉の断面積に比例し(一般に6kg/cm2)、筋持久力は筋肉内の毛細血管の量に関係し、トレーニングによって前者は2倍にも、後者は7~8倍にも増強できるものである。また日本記録のデータから見ると最大筋力のピークは40~50才台に現れる。

ここで休憩に入り、その間質問される方もおられ、再開後には、岡大生による180kgデッドリフトのデモンストレーションから始まり、歓声と拍手が起こりました。

  後半は筋トレの効果から話しが始まりました。筋トレにより、関節が安定し(膝痛が治り、転倒予防)、体脂肪の減少、脳の血行、新陳代謝の改善、骨密度が上がり持久力、スタミナの向上に加え、精神面の改善も報告されている。
筋トレの原則事項として、持続性や全身のバランスは当然として、少し強めの刺激、適切な休み(超回復)が強調され、筋肉は低酸素状態にすることで増強されることから、アイソメトリクスと呼ばれる静的な筋トレ(スロートレーニング、加圧トレーニング)が効果的であることの説明がありました。
この後、会場の皆さんにも参加いただいて、その場でできる8種類のアイソメトリクスを指導いただきました。これらは抗重力筋を対象にし、姿勢を良くし若々しい動きを作るもので、注意事項として、息を止めないで力をいれる、普段使わない箇所を対象に、またこれを持続するために、楽しみながら、前向きな気持ちで、可能ならパートナーと一緒にするのが良い等の補足で話しを締めていただきました。

以上が先生からのお話で、その後参加者といくつかの質疑応答がありました。
  • 運動の始めにバナナ、終わりにチ-ズを食べると良い?
    →バナナとオレンジジュースを少し疲れた時に、チーズは寝た後に効果がある
  • 肩が上がらないが治る?
    →外科的な傷害がなければ治る
  • 腕立て伏せ、腹筋運動は早くするのと、ゆっくりするのとでは?
    →ゆっくりの方が負荷が強くなり筋肥大に繋がる
  • 肉離れは習慣になる?
    →治りきらないうちに始めない。ウオーミングアップ、ストレッチングが効果的

閉会に先立ち、次回第14回の案内が司会者からアナウンスされました。今回も大勢の皆さんにお運びいただき盛況に終えることができました事、厚くお礼申し上げます。参加の皆さんには、当日ご指導頂いたスロートレーニングを長くお続けになり、テーマの「若さと健康」を維持されますよう祈念いたしております。

社会連携本部 松浦啓克記

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入口案内ボード
入口案内ボード


曽良副学長の挨拶
曽良副学長の挨拶


三浦先生のお話
三浦先生のお話


筋肉の説明
筋肉の説明


デモンストレーション
デモンストレーション(180kgのデッドリフト)


参加者の皆さん
参加者の皆さん


筋力トレーニングの実技
筋力トレーニングの実技


筋力トレーニングの実技
筋力トレーニングの実技/全員で


会場の様子
会場の様子

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