国立大学法人岡山大学は、「前立腺癌に対するアジア国際共同研究」として平成20年7月より、日本・中国・韓国・シンガポールのアジア各国のトップ医療研究機関と、遺伝子治療における医師主導の探索的臨床研究の国際共同研究を行っています。この共同研究は、平成20年度 文部科学省 科学技術振興調整費 において、国際共同研究の推進(1)先端技術創出国際共同研究として採択され、実施するものです。

 岡山大学は、再生医療とともに次世代医療の双璧である遺伝子治療の臨床研究において、厚生労働省で承認された複数の癌に対する遺伝子治療臨床研究(肺癌、前立腺癌)プロトコールを有し、既に2種のプロトコールを完遂した国内唯一の機関です。さらに、平成20年2月には「前立腺がんに対するIL-12遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療臨床研究」の実施が承認され、同年5月に第1例目の治療を岡山大学病院で実施しています。

 また、国の委託研究開発事業としては最大級規模である「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」事業の医療領域拠点として、国および協働企業からのリソースを得て、ナノバイオ標的医療の融合的創出拠点の形成事業を進めています。特に、岡山大学が日本のリーディング研究機関となっている遺伝子治療分野においては、アジアとの連携を深め、国際的なイノベーション拠点の形成を視野に入れ、平成19年より「アジアンスタディ岡山」シンポジウムを開催しています。

 これらの事業を統合的に発展させ、21世紀の世界の発展主導地域であり、約20億人という巨大な人口を抱え薬剤開発及び医薬品市場が大きく発展しており、かつ日本人との遺伝子近接が想定される東アジア地域において、医療先端分野である遺伝子治療で、医師主導の探索的臨床研究(トランスレーショナルリサーチ)の国際共同研究を実施するものです。

 具体的には、前立腺癌における「アジア人のがん体質遺伝の解析」に基づき、個の医療への展開を視野に入れた「免疫遺伝子による臨床試験に関する国際共同研究」として、遺伝子1塩基多型(SNP)の解析と免疫遺伝子Interleukin-12による前立腺がんへの医師主導の探索的遺伝子治療臨床研究を日本・中国・韓国・シンガポール共同で実施いたします。
  




 前立腺がんにおける「アジア人のがん体質の遺伝子の解析と個の医療への展開としての免疫遺伝子による臨床試験に関する国際共同研究」として、遺伝子1塩基多型(SNP)の解析免疫遺伝子Interleukin-12(IL-12)による遺伝子治療に関する医師主導の探索的臨床研究を実施します。本研究では、アジア人のSNPを、単に罹患リスクのみならず予後リスクの規定因子として解析することにより遺伝子治療の適応と効果の予測に適用するとともに、免疫遺伝子治療によるがんの治療におけるサロゲートマーカーを含む各種パラメータを確立し、これによって信頼性の高いトランスレーショナルリサーチ(TR)の実施を可能にします。


1,日本での発がんリスクに関するミスセンスSNPの研究成果を、韓国で蓄積された前立腺がんの摘出病理組織を
  含む網羅的データ(Prostate Bank)に適用します。同時に、中国主要2大学およびシンガポール総合病院(SGH)
  から提供される新たな検体に適用することにより、東アジア人における前立腺がんに罹患しやすい体質の遺伝的
  特性を解明し、従来のパラメータを加えて前立腺がんハイリスクグループの同定を実現します。

2,日本での内分泌療法再燃がんを対象とした免疫遺伝子(IL-12)による臨床試験を実施することにより、安全性、
  遠隔転移巣への効果を確認します。その成果に基づいて、中国北京大学を中心に複数の施設が参加する医師主
  導の国際共同探索的臨床研究をアジアンスタディとして実施することにより、トランスレーショナルリサーチにおける
  国際ネットワークを形成します。

3,前立腺がんハイリスクグループに対してIL-12による遺伝子治療をネオアジュバント(手術前に再発防止を目的とし
  て行う治療)としても適用し、遺伝子治療の適応と効果予測に対するSNPデータの応用性を検証するとともに、免疫
  学的各種パラメータを確立します。







岡山大学 「アジア人の癌体質と遺伝子治療共同臨床研究」」事務局

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